相談員のYMです。
ある日、病院から末期がんの女性患者様の相談がありました。
緩和ケア病棟を希望するも、唯一の家族である妹さんとは喧嘩別れしたまま。
「身元引受人がいない」という理由で申し込みができない。
その声を聞いた瞬間、胸が締めつけられ私たちはすぐに面談へ。
50代前半、話す姿は柔らかく、明るく、まるで余命宣告を受けたばかりとは思えない方でした。
妹さんとの関係は途絶えたまま。
穏やかな雰囲気の裏にある深い寂しさ、言葉にできない悲しみがそこにはありました。
緩和ケア病棟の申し込みには身元保証が必要です。
そこで私たちは身元保証の支援から開始し、
入院のほか、自宅の家財処分・ライフライン解約支援・遺言書作成などの支援も行いました。
支援を進める中で、妹さんへの連絡もご本人の許可を得て行われたところ、妹さんはすぐ面会へ。
それからというもの、妹さんは毎日遠方から足を運び、亡くなるその日まで見守り続けられました。
お葬式から納骨まで、最後の時間を家族で過ごせたのです。
今回の事例は、専門的な支援ネットワークと"つなぐ力"が、人と人の心を再び結びつけた奇跡です。
日本では、高齢者の独居や孤立が進み、身元保証や死後対応の困難が問題視されています。
しかし本当の支援とは、ただ手続きのためではなく、人の“想い”を通わせるほどの温かさを提供すること。
それこそが、私たちの目指す、そして皆さんと一緒に実現したい未来です。
私たちの活動は、単なる“手続きの代行”ではありません。
その先にある、一人ひとりの“安心”と“ありがとう”をつなぐために。
理念である
「今と、その先のありがとうへ」
この言葉を胸に、私たちはこれからも歩み続けます。
▶『私たちのお一人さま高齢者支援について』